入院について各種療法について
SSTとは
Social(社会生活)Skills(技術・技能)Training(訓練・練習)の略です。
自分らしく生活していく上で役立つ生活技能を身につけられるよう理論的・系統的に構成されたリハビリテーションプログラムです。
SSTの目的
- 今までに身につけるチャンスがなかった生活技能を練習する。
- 今までできていたのに、病気のためにできなくなった生活技能を練習する。
- 自分の持っている生活技能を、日常生活場面で上手にいかす方法を考える。
毎日の生活の中で、自分の考えや、してほしいことを、相手にうまく伝えたり、相手の人の言うことにうまく応えることができるようになることを目指しています。
当院では、各病棟でSSTを行っています。
「こんなことがうまくなりたい」「こんな時どうしたらいいんだろう」という声に耳を傾け、スタッフを含めた参加者全員で助け合ってスキルの獲得を目指しています。
教育的な雰囲気ではなく、できるだけアットホームな雰囲気で活動しています。
作業療法とは
入院患者さまに対して、生活リズムの安定化や対人関係能力の改善、気分転換等を目的に様々な活動を提供しています。
院内作業 | 病院内にて内職作業を行い、日々の生活リズムの安定や、就労に対する意欲の向上を目的に実施しています。 |
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ストレッチ | 運動不足になりがちな患者さまに対しては参加しやすい軽い運動を提供することを目的に、また、高齢の患者さまに対しては運動機能の維持を目的に実施しています。 |
卓球・ダーツ | 身体的な運動を実施することにより運動不足の解消やストレスの発散を目的として実施しています。 |
趣味の時間 | 「ぬりえ」「計算問題」「漢字の書き取り」「硬筆」などの作業を提供し、個々の患者さまが選択し取り組んで頂きます。興味、関心の維持や拡大を目的に実施しています。 |
創作活動 | 「裁縫」「編み物」「ネット手芸」「プラモデル」など、趣味や関心の持てる作業を行える場を提供しています。興味、関心の維持や拡大、や作業に対する集中力、持続力などの維持、改善を目的に実施しています。 |
園芸 | 病院内の畑において小グループで草花を育てています。少人数のグループで実施することによりメンバー間での協力が必要であり、対人関係能力の改善を目的として実施しています。 |
・上記以外にも様々な活動を実施しており、患者さまの目的や治療目標に応じ個別での対応も行っています。
お薬について
こころの病気でのお薬では、脳に直接作用して症状を抑える向精神薬が用いられます。
脳に作用して精神活動を改善する
こころの病気の症状をコントロールする治療法の一つが、薬を用いる薬物療法です。脳内の神経伝達物質に作用して、精神活動を改善する「向精神薬」が用いられます。
「向精神病薬」とは?
向精神病薬は5種類に大別でき、目的によって使い分けられます。
- 抗精神病薬
統合失調症の妄想や幻覚、意欲低下などに効果的。 - 抗不安薬
不安や恐怖、イライラ、緊張を軽減する。 - 抗うつ薬
うつ病や強迫性障害、社交不安障害の治療に用いられるもので、抑うつを改善する。 - 睡眠薬
脳の興奮を鎮め、気持ちを落ち着かせ、眠気を催させる。 - 気分安定薬
躁病や躁うつ病の躁病状態の治療に用いられる。異常な気分の高揚を抑える。
副作用について
向精神薬は安全性が高く、医師の指示通りに服薬すれば、危険はありません。
副作用は、薬の種類によって異なりますが、口の渇きや便秘、排尿障害、不整脈、脱力感、筋肉のこわばりなどがみられることがあります。気になる症状が現れたら、医師に伝えてください。